そもそも振袖はどうして生まれたか?
振袖って着物の中でも特殊なシルエットですよね。なぜあんなに袖の長い着物が誕生したのでしょうか。振袖は江戸時代に誕生した着物。若い女性が正式な席で身に付ける着物の袖は江戸時代前期頃に徐々に長く変化していったようです。その理由にはいくつかの説があります。
■ 長い布には神が宿る説
日本では古来から「神さまは長い布に宿る」とされてきました。いまでも歌舞伎役者さんや落語家さんはごひいきのみなさんに手ぬぐいを配るのをご存知ですか?
あれは「大切なお客さまを神さまがお守りくださいますように」という願いを込めてのことなんです。たしかに手ぬぐいは細長い布ですよね。
悪しきものは男性や年増の女性には寄り付かず、若い女性に憑くと考え、その若い女性を守るために着物の袖を長くして神さまのご加護を得るようにしたんだそうです。しかしこの説、男性や、なによりご年配の女性にちょっと失礼ですね
■ 長い袖で「イエス・ノー」を表現説
長い袖はよくはためきますよね。言いにくいこと、失礼なことはことばで直接的に表さないのが日本文化。若い女性が求婚されたとき、返事には長い袖を振ったそうです。その振り方で「イエス・ノー」を表現したとか。
たしかに、ある程度の長さが無いと振り方にバリエーションがでません。いまも使われている「振られる」「袖にする」などの語源はここに由来するんですね
■ 華やかにするためにエスカレートした説
着物の袖が長いと、そこに派手な絵柄なども大きくあしらえますよね。若い女性、おそらく富裕層や水商売の女性が華やかさを競ううちにどんどん長くなったという説もあります。
みなさんはどの説を支持しますか?いずれにせよ何だか微笑ましくていいですよね。とにかく振袖のあでやかさは見るひとすべてを魅了します。
そもそも女子は成人式のときなぜ振袖を着るの?
では、なぜ振袖が成人式で女性に着られるようになったんでしょうか。男性は紋付袴姿。つまり成人式に装っているのは「第一礼装」ということになります。
女性の第一礼装が振袖とされたのはなぜでしょう。ヒントは「振る」ということばにあります。
神社で神主さんが祓串(はらえぐし)を振りますが、日本には「振ることで祓う、清める」という考え方が古来からあったようです。長い袖を振る着物=清めの着物として、明治時代に未婚女性の第一礼装は振袖と定められました。
おめでたい成人式を彩る振袖。こんな華やかな着物が第一礼装になってよかったですよね。
成人式で似合う振袖の選び方①色
たくさんあるレンタル振袖から自分に似合う1着を選ぶにはどうしたらいいでしょうか。もっとも大きな面積を占めるのが「地色」。着物の大部分は地色なので、そこが本人に合うかどうかが大きなポイントです。
顔の下に着物を当ててみるのがいちばんです。ファンデーションの色を選ぶとき、ブルーベースならピンク系、イエローベースならオークル系など、選ぶ基準があるのと同じで、顔色との調和、顔映りのいい色を選びます。
あらかじめチェックしておいて自分に似合う色にあたりを付けておけば、実際の現場ではある程度絞り込むことができます。時短は大切ですよね。
成人式で似合う振袖の選び方②柄
振袖の柄は身長や体格で選ぶといいでしょう。
■ 長身の方
背が高ければ振袖の面積が長くなりますね。それはつまり柄がたくさん見えるということ。したがって大きな柄や総柄(着物全体に柄がわたるもの)がとても良く映えます
■ 小柄な方
長身の方と逆になるので、小さい柄、細かい柄がおすすめです
■ ぽっちゃりした方
すっきりとした柄や斜め柄がすっきりして細身に見えます
■ 細身の方
ふっくらした絞り柄はおすすめ。縦が強調されているデザインだと貧相に見えてしまうので避けましょう
色・柄共に「ご本人の着たい色・柄」があるとは思います。一生一度の成人式。おもいきって好きなものを選ぶのもいいでしょう。
しかし、写真にも残ってしまうので、あまりにも似合わないと後々悲しいことに。ある程度は「似合う振袖かどうか」は吟味すべきではないでしょうか。お母さんに見立ててもらう、もしくはお友だちと互いにチェックし合って、第三者目線で意見してもらうのも重要なことだと思います。
成人式の予約は早めが吉!
成人式の振袖レンタルの場合、早めに予約することが大切。遅れをとれば「残った振袖から選ぶ」ことになってしまうからです。
じつは予約は2年前あたりからスタートしているんです。1年前ならわりとのんびりした予約ということになります。
とにかく早めにさっさと予約していまいましょう。どんなに遅くとも1年前には予約しないと自分に似合う着物、好みの着物はほかの方に押さえられてしまいます。
写真館の予約もしかり。大進創寫舘をはじめとする人気写真館などはあっと言う間に予約で埋まってしまうこともよくあること。一生一度の晴れ舞台には入念な準備をする方が多いことでしょう。
早く予約すれば「春に桜の下で屋外撮影」など実現できます。まあ、成人式のあとで再度ゆっくり撮ることも可能ではありますが。
成人式のあとでまた振袖を着るというのもなんだかしっくりこないような気がするんですよね。そんな訳でやっぱり早めの予約が吉だと私は思います。
成人式のセット・振袖の着付けは専用サロンか写真館で!
成人式は振袖姿に似合う髪型にセット・スタイリングすることになる訳ですが、プロの美容師さんでもセットが得意な方とそうでない方がおられるのをご存知ですか。じつはカットやパーマは上手くてもセットは「あれ?」って方が結構おられます。
ですからいくらなかよしでも普通の美容師さんに依頼するのはやめたほうがいいです。もしその方が「セットは得意中の得意」というなら話は別ですが…。
セットは慣れ。ふつうの美容室でなくセット専門の「セットサロン」に行ってください。とっておきの裏技としては夜の歓楽街に程近いサロンに行く、というものがあります!
これらのセットサロンは毎日、プロの接客業の女性・男性をセットしています。手早く、しかもおしゃれに敏感な方々を相手にしているため、すごく美しく仕上げる腕を持っています。
その上、毎日同じお店に出勤する方々へのセットなのでバリエーションも豊富。さらに!閉店後のお付き合いまで計算し、朝まで保てるよう崩れないセットをしてくれます。
しかし、写真館でセットする場合も手馴れたプロの方が担当してくれますので、わざわざほかでしなくても大丈夫。着付と流れでやってもらえるのでラクですよね。
成人式の髪型・髪飾りを考える
さて、振袖に似合う髪型・髪飾りとはどんなものでしょう?これが意外に悩みます。なぜならば着物も着慣れないし、アップスタイルにセットすることにも慣れていないからどうしたらいいかわからなくなってしまうからです。
わたしもこの年齢になるとひとさまや身内の結婚式等々でセットすることにもなれてきましたが、二十歳そこそこのみなさんはとまどいもあるかと思います。ましてやそこにどんな髪型・髪飾りをするかなんてわかる訳がありませんよね。
おすすめの髪型はアップスタイルですが、おかっぱもすてきです。しかし、童顔だと七五三風になってしまうおそれがあります。
ある程度の長さがあればプロは付け毛などを用いてきれいにアップにしてくれます。サイドに巻きを入れてプリンセス風か?すっきりとまとめた和風アップか?とにかく、あらかじめ成人式の髪型カタログ的なサイトにアクセスして、画像を保存。美容師さんに見せて具体的にイメージを伝えましょう。
髪飾りは困ったときは赤、もしくは白メインの髪飾りをセレクト。そのふたつは大抵どんな色柄の振袖にも一部にはあしらわれており、万能と言えるほど似合ってしまいます。
大きめな髪飾りを選び、正面からも見えるようにセットしてもらえば、小顔効果もあるんです!とにかく、若いみなさんはイメージをつかむためにヘアカタログサイトなどを閲覧して事前に研究しておくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか。何度も言いますが一生一度の成人式。抜かりの無いように準備万端で臨んでほしいと思います。
そして記念として絶対に写真・画像は残したほうがいいです。と言うのも、すこし偏屈な友人が数人おりまして、成人式に着物を着なかったり、写真館での撮影をケチって友人の写真で済ませたひとたちを知っています。
みんないまになって(年齢を重ねて)「撮っておけばよかった」「ちゃんとしたスタジオで撮ればよかった」と後悔しきりですよ。みなさんには悔いの無い成人式の振袖姿を記念に残してほしいと思います。
このサイトがお役に立てれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。